理学療法士に必要な広告に関する法律とは?【集客の前に】

(※このページは2022年2月20日に更新されました。)

整体や自費リハビリ事業を始めるにあたって、ホームページを作成したり、広告・宣伝を行います。

ホームページを作成するときには、出来るだけお客様が来てくれるような魅力的なキャッチコピーを入れたいですよね。


「〇〇整体では、痛みが必ず改善します!」

「動かなかった手が、動きます!」


上のキャッチコピーが良くないことは、あなたも感じると思います。

理由は、痛みが必ず改善するとは、言えないからですよね?

これは、「優良誤認表示」に該当して、景品表示法の違法行為となります。


「え?優良誤認表示ってなに?そもそも、景品表示法ってなに?」


実は、この記事で紹介する『広告に関する法律』を知ると、表示してはいけないものが分かります。

なぜなら、私たちもホームページや広告・宣伝を考える上で、色々と工夫を重ねたからです。

記事を読み終えると、広告に関する法律を知った上で、ホームページの作成や広告・宣伝を行うことができます。


※法律の専門家ではありませんので、詳しくは法律の専門家にお尋ねください。

自費リハビリや整体等を広告する上で知っておくべき法律

自費リハビリや整体等を広告する上で、おさえておくべき法律は以下の4つが挙げられます。

  • 医師法
  • 理学療法士及び作業療法士法
  • 医療法(医療広告ガイドライン)
  • 景品表示法

医師法や理学療法士及び作業療法士法については、他の記事で触れていますので、そちらをご参照ください。
今回は、主に医療広告ガイドラインと景品表示法について説明したいと思います。

<医師法や理学療法士及び作業療法士法について触れている記事はこちら>

医療広告ガイドライン

正式名称は、「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針」です。

対象は、上記に含まれているので、病院で行っている自費リハビリ(医療保険の延長等)はこれを遵守する必要があります。

健康増進や介護予防等を目的としたマンツーマン運動指導等(自費リハビリや整体等)においても、理学療法士が関わるのであれば、このガイドラインは知っておいて損はないです。

ただ、医療広告ガイドラインと謳っているだけあり、後で紹介する景品表示法と比べるとかなり厳しいもとなります。

厳しさは、


医療広告ガイドライン>>>>景品表示法


みたいな感じです。

では、具体的に医療広告ガイドラインで禁止されている広告をご説明します。

広告が可能とされていない事項の広告

医療法などにより広告可能とされた事項以外は、原則、広告は禁じられています。

具体例として、死亡率術後生存率等が挙げられます。

これは、患者さんの状態等による影響も大きいため、適切な選択がし辛い情報になる可能性があるからです。

重症者に対して行う大学病院で死亡率は高くなり、軽症者に対して行う民間病院で死亡率が低くなるという情報があった際、患者さんは混乱してしまう情報となります。

内容が虚偽にわたる広告(虚偽広告)

医療法第6条の5第1項に「虚偽の広告をしてはならない」とあります。

虚偽の広告をしてしまうと、患者さんに間違った情報を与えてしまいます。

これによって、病院に行く機会を逃したり、間違った医療を受ける可能性がでてしまいます。

リハビリで起きやすい具体例としては、「厚生労働省の認可した脳卒中認定理学療法士」と挙げることです。

認定理学療法士は、厚生労働省が認可するわけでなく、日本理学療法士協会が認可するものだからです。

他の病院又は診療所と比較して優良である旨の広告(比較優良広告)

注意すべきは、事実であったとしても、著しく誤認を与えるおそれがあることは禁止されています。


「日本一」「最高」「No1」等が該当します。


また、著名人との関連性を強調して、患者さんに他の医療機関より著しく優れていると誤認を与えるおそれがある表現も、注意が必要です。

誇大な広告(誇大広告)

うそではなかったとしても、大げさに表現して患者さんに誤認させるようなことは禁止されています。


〇〇リハビリセンター初回体験プログラム 0円!
(※2ヶ月のコースに入会した方限定となります。)

上記のように、あたかもすべての利用者さんが0円かのように広告しており、大げさと判断される可能性があります。

誇大広告

患者等の主観に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談

患者さんの主観を広告することは禁止されています。

患者さんによって効果に違いがあるため、治療について誤認させる可能性があるからです。

個人的にSNS等で投稿したり、クチコミに書いたりすることは広告に該当しません。

その施設に誘導するために行われているかが、ポイントです。

治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等

いわゆるビフォー・アフター写真を広告することは禁止されています。

状態が違うのにもかかわらず、掲載された写真のようになると、患者さんに誤認させる可能性があるからです。

必要の情報として、詳細な説明を付与した写真を用いることは問題ないと思われます。

ビフォー・アフター写真

公序良俗に反する内容の広告

わいせつ若しくは残虐な図画や映像又は差別を助長する表現等を使用した広告は禁止されています。

その他

品位を損ねる内容の広告などが禁止されています。
「今なら無料キャンペーン実施中!」
「無料相談をされた方全員にアルコール消毒液をプレゼント!」

医療広告ガイドラインは結局遵守した方が良いのか?

結論、遵守した方が良いけど、難しい場合は、最低限 景品表示法は守ろう、です。

理由は、自費リハビリや整体等は、法律上の医療ではないからです。

そのため、厳密に医療広告ガイドラインを守らなきゃいけないわけではないです。

ただ、医療職の立場として、頭には入れておいて、広告・宣伝での提示の仕方を検討していただければと思います。

一方、次に紹介する景品表示法は、すべてのサービス提供者にとって、絶対守らなくてはいけない法律です。

それでは、景品表示法を説明していきます。

景品表示法

一般消費者が良い商品・サービスを安心して選べる環境を守るための法律です。

自費リハビリや整体等を行う場合は、指導を受ける利用者を守る法律です。

利用者さんは、「痛みをとりたい」「もっと速く歩けるようになりたい」って切実な思いです。

そのため、できるだけ良いリハビリを求めています。

しかし、実際よりも良くみせかける表示が行われていると、それにつられて利用者さんが実際には質の良くないリハビリを受けて不利益を被るおそれがあります。

このような不当表示から利用者さんの利益を守るための法律が「景品表示法(正式名称:不当景品類及び不当表示防止法)」です。

施設の運営者は、この法律を遵守して利用者さんに表示する責任があります。

上記の資料から、不当表示の禁止と景品類の制限及び禁止がされていることが分かります。
施設の運営をする際には、不当表示の禁止へ配慮することが多いので、不当表示の禁止を説明していきます。

不当表示の禁止とは?

うそや大げさな表示など消費者をだますような表示を禁止しています。

大きくわけて、3つの種類があります。


・優良誤認表示
・有利誤認表示
・その他誤認されるおそれのある表示


いずれも、誤認されるかどうかがポイントです。

明確にだますような文言でなくても、誤認されてしまうような文言であれば、それは誤認とみなされるということです。
消費者目線にたって、誤認しないようにすることを消費者庁は求めています。
うそや大げさはいけないですよってことです。

表示とは、チラシやパンフレット、ホームページ、パッケージ、ラベル、新聞、テレビ、セールストーク、ネット上の広告、メールなどほとんどの広告や表示全般を指します。
これらの表示の際には、最低限のルールとして、消費者の誤認が起きないようにしましょう。

優良誤認表示

サービスの品質、規格などの内容について、実際のものや事実に相違して競争事業者のものより著しく優良であると一般消費者に誤認される表示を優良誤認表示として、禁止しています。

この場合の「著しく」とは、誇張・誇大の程度が社会一般に許容されている程度を超えていることを指します。

そして、誇張・誇大の程度が社会一般に許容される程度を超えるものであるかどうかは、その表示を誤認して消費者が誘引されるかどうかで判断されます。
簡単に言うと、「これはとっても良いサービスだ」と消費者に思わせておいて、実際にはそうではない表示のことを指します。

リハビリの広告で例えると、「当施設のリハビリは、経験年数20年目超えの理学療法士で構成されています!」と言っているのに、実際のリハビリの腕は新人レベルだったみたいな事です。


もう一つ重要なポイントとして、その商品に合理的な根拠があるかどうかです。
これを「不実証広告規制」と呼びます。

効果や効能は、きちんとした根拠を持っていなさいということです。
なんとなく効きそうなだけでは、表示してはいけません。
優良誤認表示かどうかあやしい場合、消費者庁から根拠の提出を求められます。

リハビリの広告で例えると、「手のつぼを押せば、痛みが改善します!」
と言った広告を出すのであれば、手のツボを押して痛みが改善するという合理的な根拠が必要です。

ちなみに、合理的な根拠とは、試験・調査によって得られた結果や、専門家、専門家団体若しくは専門機関の見解又は学術文献のいずれかにあたるものを指します。

リハビリを運営するにあたって、サービスの品質が良いことを広告したり売りにしたいと思います。
それ自体は問題ないです。
しかし、大げさに見せたり、うそをいれてしまうと、(悪意がなくても)違法となってしまうのです。

有利誤認表示

商品やサービスの価格などの取引条件について、実際のものや事実に相違して競争事業者のものより著しく有利であると一般消費者に誤認される表示を有利誤認表示として禁止しています。

価格が他社と比べて安いと見せかけたり、内容が他社よりも多いと見せかけたりすることを言います。

ここで重要なことは、「見せかける」ことです。
本当に安い場合や、本当に多い場合は問題ありません。
何度も言っております、うそや大げさな表示が問題です。

自費サービスで例えると、「当施設が最も安い!」と表示しているにもかかわらず、実際は予約時間や手続きの時間が含まれていて、施術時間あたりの価格は変わらないような場合は有利誤認表示に当たる可能性があります。


他には、「リハビリの実施量が他社の約2倍!」と表示しながら、実際は在宅での自主トレの時間を含んでいるような場合も、有利誤認表示にあたる可能性があります。


自施設で事業を行う際に、他社比較を行うことで、顧客に自施設を選択してもらいたい気持ちは分かります。
もし他社比較を行う際には、事実であること、誤認されないように表示することに注意しましょう。

理学療法士の事業者に対して行政処分が行われた例(令和4年2月17日)

令和4年2月17日に、埼玉県から整体院等を経営する事業者に対して、以下のような発表がありました。

埼玉県は、令和4年2月17日、株式会社LAPREに対し、同社が提供する認知症専門リハビリテーション(以下「本件役務」という。)に係る取引について、景品表示法に違反する行為(同法第5条第1号優良誤認)が認められたことから、同法第7条第1項の規定に基づき措置命令を行いました。

整体院等を経営する事業者に対して行政処分を行いました(埼玉県)

詳しくは、埼玉県のホームページで確認できます。

優良誤認表示が行われたことによる、行政処分とのことです。

その一部を、解説します。

「これが、薬を使わず認知症を改善させた脳のリハビリの方法です」

整体院等を経営する事業者に対して行政処分を行いました(埼玉県)

これを見た方が、誤認する可能性があるか、が問題です。

「認知症を改善」とあるのですが、

・認知症と診断された?
 →認知症の診断を受けていない方にも提供されていた

・改善は、どのように判断した?
 →MMSE等のスクリーニング検査の点数の向上や、顧客の主観的及び家族の客観的意見から判断した

実際は、良くなった方もいるんだと思います。

ただ、その場合にも、誤認をさせないように配慮が必要だったといえます。

では、「どう書けばよいのか知りたい!」って方もいると思うので、例をお示しいたします。
(あくまで一例です。行政に確認したわけではないので、参考程度にしてください)

認知症の診断を受けた方が、当施設のリハビリを実施したことで、ご本人やご家族の実感として、良くなったようです

とか、

当施設のリハビリを実施後、認知症に対するスクリーニング検査の点数に向上がみられた方もいます

になるかと思います。

皆様の声が聞こえてきます…


「それじゃ、お客様は来ないよ…」


それは、その通りです。

ただ、お客様を守る景品表示法を守ることは、お客様を守って、ひいては事業者自身を守ることにつながりますので、最大限配慮しながら考えていきましょう。

これが、自費リハビリや整体業という、荒波で勝負するということです。

まとめ

本記事では、理学療法士は知っておきたい広告に関する法律についてご説明しました。

医療広告ガイドラインは参考にしつつ、景品表示法は必ず守りましょう。

「伝えたい」「よく見せたい」

その思いは痛いほど分かりますが、見せ方を工夫しながら頑張っていきましょう。

おまけ

広告って本当に難しいですよね。

私は、当初、医療広告ガイドラインをガチガチに遵守したホームページを作りました。

自分で書いてて思ったのですが、これ見て誰が来てくれるの?って内容になってしまいました(笑)

案の定、集客はできず…

本当、「改善」「日本一」「唯一」等を表示しまくりたい気持ちを抑えながら、今日も極限まで工夫しています。

頑張りましょう。

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