自費リハビリは違法なの?2021年現時点の解釈(2021年3月追記あり)

今回は、2021年現時点での自費リハビリに関する解釈を述べたいと思います。
本記事での、「自費リハビリ」は、日医総研の報告書(2020年)での「自称リハ」を指します。
↓自称リハの説明記事はコチラ↓

※法律の専門家ではないので、捉え方や解釈に誤りのある可能性があります。
 誤りのある場合は、教えていただけるとありがたいです。
なお、マンツーマンの運動指導施設(リハフィット)を1年半以上運営している者が記載しております。

本記事は、以下のような方に向いています。

✅ 自費リハビリは違法なのか知りたい
✅ 自費リハビリは法律的にはグレーと聞いたけど、実際はどうなの?
✅ 法律を知らなきゃいけないけど、難しいのはちょっと・・・

結論から言うと、「自費リハビリ」という文言は、使わない方が良さそうです。
一方で、「理学療法士」が「健康増進」や「介護予防」において「マンツーマン」で関わることは問題ないです。
ここが、自費リハビリの最も注意すべきポイントです。

その理由を以下に説明していきます。

まずは、自費リハビリの歴史をみていきましょう。

自費リハビリの歴史

脳梗塞自費リハビリ手

最近、急増している自費リハビリサービス。
「病院で理学療法士としてリハビリしていて、週末は起業してパーソナルでリハビリしてみたいな」
「病院以外で理学療法士として働きたいな」
ような思いを持っている方は多いと思います。
まずは、(自費)リハビリの歴史を振り返りましょう。

自費リハビリの元祖は、あの入谷先生?

自費リハビリサービスの歴史をみていくと、おそらく最初に行っているのは入谷誠先生かと思います。
リハビリ業界のヒトは一度は学んだことがあるであろう、入谷式足底板のうみの親ですね。
入谷式足底板は、保険でのリハビリテーションでも数多く提供されています。

入谷先生が足と歩きの研究所を開設されたのは、1999年です!
足と歩きの研究所では、主にインソール(足底板)をオーダーメイドで作製するというサービスを提供していたようです。
保険外のため、全額自費負担です。
クライアントの動きを変えるために、オーダーメイドインソールを作製・提供する。

つまるところ、「保険外」で「動きを変えるインソール」は、「自費リハビリ」といえます。
一方、解釈は「自費リハビリ」でも、実際はそのように名乗っていません。
「足と歩きを研究」していて、「インソール」をオーダーメイド販売しています。

実は、ここが絶妙に丁寧なのです。
足と歩きを研究して、インソールをオーダーメイド販売している人が、違法なわけないですよね?
そうなんです、自費サービスを考えている療法士は、見習うべきポイントです。

ちなみに、入谷先生はあんま・マッサージ・指圧師免許、はり師・きゅう師免許を持っていたようです。
これらの資格を利用して1998年に入谷はり治療院を開院されています。
その翌年に足と歩きの研究所を開設しているので、インソールを提供する合法的な方法を模索されていたのだと思います。

このような功績は、理学療法士が世間に信頼されている資格になっている理由の一つであると改めて感じます。
改めて、入谷先生に心から敬意を表します。

2000年以降の自費リハビリの歴史

2000年以降、叩き上げのスキルを武器に自費リハビリを行う理学療法士が増えています。
この流れは、特に整形外科の分野で広がりを見せます。
痛みや動きを改善する、「自費リハビリ」です。

さらに近年、整形外科の分野だけでなく、脳卒中後遺症の方に対する「自費リハビリ」がみられるようになってきました。
脳卒中後遺症の方に対する業界最大手の自費リハビリサービスを提供しているのは、”脳梗塞リハビリセンター”です。
国内最大の20店舗を有しています。(2020年12月8日現在)

↓その脳梗塞リハビリセンターの事業などを行っている早見代表取締役会長兼CEOの著書です↓

早見会長は医療職ではないので、視点はすごく斬新です。

それらの成功体験を参考に、最近では、様々なところで自費リハビリサービスが行われています。
例えば、訪問リハビリを提供しているステーションで、自費の介入を取り入れたり、デイサービスを提供している施設で、デイサービスとして使用のない時間に自費での個別介入を行ったりしています。

少しでも良くなりたいクライアントの思いに応えるために、自費リハビリ分野を伸ばしているのはすごく良いことです。

ただ、入谷先生が、脳梗塞リハビリセンターさんが、石橋を叩いて切り開いてきた分野であることを忘れてはいけません。
自費リハビリを行いたいのであれば、おさえとかなきゃいけない法律があります。
違法なことを行ってはいけません。
それは社会のルールだからです。
「周りがやっているから、どうやら大丈夫だろう」では、今まで積み重ねてきた理学療法士の信頼が崩れてしまいます。

この前提をおさえた上で、理学療法士にまつわる法律です。

理学療法士にまつわる法律

まずは、理学療法士としておさえておくべき法律です。

理学療法士及び作業療法士法

第二条 この法律で「理学療法」とは、身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マツサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。
(中略)
3 この法律で「理学療法士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、理学療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、理学療法を行なうことを業とする者をいう。

理学療法士及び作業療法士法

この第二条では、理学療法の定義がされています。
理学療法とは、動作能力の回復を図るために、運動療法などを用いることといえます。
これを、免許を持って、医師の指示の下に行う者が理学療法士です。

第十七条 理学療法士でない者は、理学療法士という名称又は機能療法士その他理学療法士にまぎらわしい名称を使用してはならない。

理学療法士及び作業療法士法

それで、この第十七条です。
第二条と第十七条で、「名称独占」ですね。
「理学療法士」と名乗って良いのは、「理学療法」を業とする者です。
言い方をかえると、「理学療法」をしていないと、理学療法士と名乗れません。
つまり、医師の指示の下に施術を行うのが理学療法であれば、医師の指示がない場合の施術は理学療法ではないため、医師の指示がないと理学療法士と名乗れないのです。

診療の補助とは

医師にしかできない行為

第十五条 理学療法士又は作業療法士は、保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第三十一条第一項及び第三十二条の規定にかかわらず、診療の補助として理学療法又は作業療法を行なうことを業とすることができる。2 理学療法士が、病院若しくは診療所において、又は医師の具体的な指示を受けて、理学療法として行なうマツサージについては、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和二十二年法律第二百十七号)第一条の規定は、適用しない。

理学療法士及び作業療法士法

もう一つおさえておきたいのが、この診療の補助という部分。
理学療法士は、診療の補助を行うことができます。
2項に具体例が記載されていますが、医師の指示があればマッサージを行うことができます。
理学療法士以外では、マッサージを行う場合には、あん摩マッサージ指圧師などの資格がないと違法になります。
逆にいうと、医師の指示がなく理学療法士がマッサージを行うことは違法です。
医師がいるから、自由に活動できるのが理学療法士というイメージです。

第十七条 医師でなければ、医業をなしてはならない。

医師法

医師しか行うことができない医業。
そのため、理学療法士が診療の補助でなく、指示もない状況でマッサージを行うことは厳密にいうと、第十七条違反となってしまうのです。

自費リハビリってやっぱり違法?

理学療法士法律

例えば、最初に挙げた入谷先生の足と歩きの研究所は、理学療法をしていないんです。
つまり、なんの問題もないです。
何度もいいますが、
「足と歩きの研究しながら、動きをみてオーダーメイドインソールを販売した」だけです。
インソールをつくっただけなので、理学療法士が行う理学療法ではありません。
(広義の理学療法ではあるものの、理学療法のように見せていないってことです)

それに加えて、足と歩きの研究所では、理学療法士と名乗っていません。
(学歴のところに、ひっそりとあるだけです)
理学療法士と名乗らなくても、クライアントが来る入谷先生(足と歩きの研究所)。
これは本当にすごいことです。
そうではない無名の私たちは、なんとかして理学療法士の資格を前面に出したい…
そんなアナタに、朗報です。

理学療法士にとって前向きな通知

理学療法士が、介護予防事業等において、身体に障害のない者に対して、転倒防止の指導等の診療の補助に該当しない範囲の業務を行うことがあるが、このように理学療法以外の業務を行うときであっても、「理学療法士」という名称を使用することは何ら問題ないこと。
また、このような診療の補助に該当しない範囲の業務を行うときは、医師の指示は不要であること。

平成25年11月27日 各都道府県医務主管部(局)長あて厚生労働省医政局医事課長通知

この厚生労働省医政局医事課長通知にて、理学療法以外の業務を行うときであっても「理学療法士」を名乗って良くなりました。
この通知により、予防分野においては、医師の指示がなくても堂々と理学療法士と名乗ることができます。

予防の解釈には幅があり、予防の一つに重症者の予防も含まれるという意見があります。
この意見では、脳梗塞で要介護5の方に対して、理学療法士と名乗って予防のためのリハビリを行うことが可能と解釈しています。
つまり、脳梗塞で重度片麻痺の方に、理学療法士が予防的な側面からアプローチを行う際に、「理学療法士」を名乗ることは、問題ないともとれます。

ただし、「身体の障害のない者に対して」という一文から、「身体に障害のある者」には予防理学療法は適応とならないという意見もあります。
一方で、「身体に障害のある者」の定義も難しいです。
高齢になれば、何らかの既往歴や問題を抱えています。
それらを「身体に障害のある者」とすると、介護予防を行う方はすごく限られてしまうからです。

この流れは「理学療法士」と名乗れるかという議論です。
「理学療法士」と名乗らないのであれば、違法とする法律はありません。

入谷先生から学んで丁寧な落としどころをつくりましょう

自費リハビリの際に理学療法士と名乗るのは完全に違法である、とは言えないものの、否定的な意見を持つ方が一定数いることも事実です。
そう考えると、自分たちが行う際にはできるだけ否定されない(されにくい)形で行うのが望ましいと思います。
そんな現時点での正攻法は、以下の2点です。

・介護予防をうたうことで、理学療法士と名乗る。
・全く別のサービスとして提供する。

いずれにせよ、「自費リハビリ」という文言は、極力使わない方が良いです。

まとめ

現時点では、自費リハビリはそれだけで違法とは言えません。
ただ、「自費リハビリ」という文言は、極力使わない方が良いです。
見せ方を工夫しつつ、先人たちが築き上げてきた信頼を崩さないようにやっていきましょう。
当協会にできることがあれば、ぜひご相談ください。

なお、広告表示には景品表示法や薬事法などの法律を知る必要もあります。
そのあたりは、以下で解説していますので、合わせて御覧ください。

無料公式LINEに登録して有益な情報を受け取ろう

当協会では、無料で有益な情報を公式LINEで発信しています。
【スマホの場合】
LINEボタンをクリックし、LINEを開いたら、友達追加をクリック
【PCの場合】
LINEボタンをクリックすると、QRコードが出現するので、スマホでLINEを開いて友だち追加のQRコード読み取りから追加