【提供者が語る】自費リハビリのデメリットと対策

(※このページは2022年2月16日に更新されました)

私は、自費リハビリ(当センターでは、マンツーマン運動指導)を立ち上げて、3年近くになります。
そんな立場からの記事です。



自費リハビリのメリットに注目しがちですが、デメリットにもきちんと注目した方が良いです。


なぜなら、デメリットに注目することで、お客様の信頼を得ることにつながるからです。

実は、この記事で紹介する『自費リハビリのデメリットと対策』を知ると、自費リハビリ事業のデメリットを確認できます。

なぜなら、私たちは実際にデメリットを実感したからです。

記事を読み終えると、自費リハビリのデメリットを理解した上で、対策が行えます。

目次

メリット

自費リハビリのデメリットをご紹介する前に、まずは自費リハビリのメリットをご紹介します。


最も大きなメリットは、「納得するまでリハビリを行えること」です。


医療保険でのリハビリには期限があります。
発症から最大6ヶ月しかリハビリできません。

それ以降は、介護保険のリハビリとなります。

介護保険のリハビリでは、期限の制限はありません。
しかし、個別リハビリに時間の制限(例:訪問リハビリ週に最大120分)があります。


「もっとリハビリがしたい…」


こんな希望を持つリハビリ難民の方に対して、「納得するまでリハビリを行えること」が最大のメリットです。

納得のするまでリハビリを行える

では、具体的に「納得するまでリハビリを行えること」は、どのようなことを指すでしょうか?

私は、


・期限の縛りがない

・個別リハビリ時間に制限がない


この2点が大きいと思います。

期限の縛りがない

医療保険でのリハビリは、約6ヶ月の期限があります。
まだ回復途中であっても、「改善」の見込みがあっても、期限がきたらリハビリを行うことは基本的にできません。

一方、自費リハビリでは、期限の縛りはありません。

自身が続けたいのであれば、いつまででも続けることができます。
これは、最大のメリットです。


「もっとリハビリできていれば、歩けるようになったのに…」


こんな思いで人生を過ごすのは、とても辛いです。
そのような方の一つの選択肢となります。

個別リハビリ時間に制限がない

介護保険では、個別リハビリ時間に制限があります。
個別リハビリを提供する訪問リハビリテーションであっても、最大週120分です。

デイケアやデイサービスでも個別リハビリを提供することはできるものの、ほとんどできません。(5〜20分がほとんど)

一方、自費リハビリでは個別リハビリに時間制限はありません。
例えば、毎日120分、個別リハビリを行うことだってできます。(理論上)


「マシンでの運動も良いけど、療法士に個別でみてもらいたい‥」


この思いに、自費リハビリなら応えることができます。


以上の、「リハビリ期限」と「個別リハビリ時間の制限」の限度を超えられるのが、「自費リハビリ」最大のメリットです。

デメリット

メリットはご理解いただけましたか?

以上のメリットを踏まえて、本記事のメインテーマである、「デメリット」をご紹介します。

自費リハビリのデメリットは、この3つです。


・高額

・医師が関与しない

・法的にグレー


それぞれみていきましょう。
「デメリット」だけでなく、デメリットへの対策も載せてます。

高額

自費リハビリの1つ目のデメリットは、「高額」です。

自費リハビリは、「保険内リハビリテーション」と比較されます。
保険内の自己負担は、多くても3割負担です。

そのため、「自費リハビリ」と「保険内リハビリテーションの自己負担分」を比較すると、少なくとも、2倍以上は「保険内」リハビリテーションより高額です。

「高額」への対策は、2つ。


・付加価値をつける

・短期集中や卒業を組み込む

付加価値をつける

突然ですが、質問です。

全く同じ物の商品Aと商品A’。

商品Aは、「3,000円」。
商品A’は、「10,000円」。

どちらを買いますか?

商品Aですよね。
同じ物であれば、安い方が良いです。

「保険内リハビリテーション」と「自費リハビリ」が同じであれば、安い方が良いです。

一方、違いがあれば、高くても価値が出てきます。

例えば、

「スターバックス」のコーヒー500円。
「セブンイレブン」のコーヒー100円。

金額は5倍も違うのに、「スターバックス」が高額とは思わないですよね。
「スターバックス」では、店舗の雰囲気などの「体験」が価値としてくっついています。

そのため、「売っている商品(価値)が違うから、値段が違って当然だ」、と思ってもらえます。
つまり、付加価値をつけているのです。

「自費リハビリ」の付加価値は、、、


・施設に来店しない日の自主トレメニューも徹底管理!

・アプリで状態を毎日共有しましょう。

・リハ前後で、わかりやすい動画やシートを使って成果を共有!


等が考えられます。
このような付加価値がつくと、「高額」と比べられず、違うものとして捉えてもらえます。

短期集中や卒業を組み込む

価値をつけたとしても、やはり金額的には負担です。

そこで、もう一つの対策である、「短期集中」「卒業」を組み込みましょう。

短期集中で、理想の体型になることを売りにしている「RIZAP」。
2ヶ月で理想に近づくことを目標にしており、高額ですが、短期で終わります。

「RIZAP」のように、高額だけど、短期で終わることで支払えるという位置づけにしておく必要があります。

そうすることで、手の届く「高額」商品になることができます。

まとめると、「高額」に対する対策は2つ。


・付加価値をつける

・短期集中や卒業を組み込む

医師が関与しない

自費リハビリの2つ目のデメリットは、医師が関与しないことです。

医療保険でも介護保険でも、リハビリには医師の指示が必要です。
民間の自費リハビリでは、医師の指示はありません。


医師の指示がないことによる最大のデメリットは、安静度・リスクの確認が本人伝いで間違っている場合があるということです。


この他にも、状態変化などの有害事象が発生したときに、医学的処置が行えないことも大きいです。

これに対する対策は、


・医師と連携

・指示書を書いてもらう

・リハビリテーション報告書をもらう

・緊急マニュアルの作成


です。

医師と連携

近隣の医療機関や医師と顔の見える関係になれると心強いです。

ただ、民間の自費リハビリだと、医師のメリットを提示しづらいので、医師が連携してくれるためのハードルは高いです。

指示書を書いてもらう

医師に指示書を書いてもらう方法も一つです。

医師が文書で記すことで、安静度やリスクの確認が明確となります。
状態変化等が発生した場合でも、証拠となります。

ただ、これも医師の仕事を増やすため、ハードルは高いです。

リハビリテーション報告書をもらう

上の2つは医師に依頼するパターンでした。
医師へのアプローチが難しい場合、リハビリ職種を頼りましょう。


具体的には、リハビリテーション報告書をもらいましょう。


リハビリテーション報告書には、安静度やリスク等が記載されています。
なお、リハビリテーション報告書は、介護保険等のリハビリを利用する場合などに作成している場合が多いです。
そのコピーをもらいましょう。

緊急マニュアルの作成

医師がいないと、状態変化が発生したときの医学的処置ができません。

そこで、理学療法士ができる範囲(BLSなど)で緊急時のマニュアルを作成しておきましょう。

判断つかない場合は、「救急車」を呼ぶことがお客様の命を救う行動になります。
そこまで含めたマニュアルを作成しましょう。

まとめると、医師が関与しないことへの対策は4つ。


・医師と連携

・指示書を書いてもらう

・リハビリテーション報告書をもらう

・緊急マニュアルの作成

です。

法的にグレー

自費リハビリのデメリット3つ目は、法的にグレーであることです。
厳密に違法とは言えないものの、自費リハビリの最大の壁とも言えます。

対策は、1つ。


・「自費リハビリ」を使わないことです。

「自費リハビリ」を使わない

平成25年11月27日 各都道府県医務主管部(局)長あて厚生労働省医政局医事課長通知より、介護予防等の範囲内であれば、「理学療法士」と名乗ることができます。

また、公的保険外サービス報告書から、医療機関でない民間の「自費リハビリ」は「自称リハ」と呼ばれました。

医師から「自費リハビリ」はやめてね、というメッセージです。


この2点を踏まえて、予防であれば「理学療法士」は使える。
「自費リハビリ」は使わない。


以上から、「理学療法士によるマンツーマン運動指導」とすればOKです。
Reha fitではこのようにしています)

まとめ

自費リハビリのデメリットを3つ挙げました。

・高額

・医師が関与しない

・法的にグレー


デメリットへの対策をそれぞれご紹介しました。


高額への対策は、

・付加価値をつける

・短期集中や卒業を意識する


医師が関与しないことへの対策は、

・医師と連携

・指示書を書いてもらう

・リハビリテーション報告書をもらう

・緊急マニュアルの作成


法的にグレーに対する対策は、

・「自費リハビリ」を使わないことです。


自費リハビリのデメリットを把握して対策することで、自費リハビリの強みとなる可能性すらあります。

自費リハビリのデメリットをどう感じて対策を行うか。

あなたは、どうお考えでしょうか?

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投稿者プロフィール

實 結樹
執筆監修

一般社団法人日本リハフィット協会 代表理事

国家資格(理学療法士取得)

脳卒中認定理学療法士

総合病院に10年勤務後、

埼玉県桶川市→上尾でリハビリ施設設立 5年目

2018年に日本離床学会で最優秀演題賞を受賞

臨床とビジネスの双方から挑戦を繰り返している

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〒362-0074 埼玉県上尾市春日1-23-7

一般社団法人日本リハフィット協会

電話番号:048-788-4608

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