本当は分かってる。その指導で患者さんは運動を継続しますか?

突然ですが、運動を指導した経験はありますか?
フィットネスジムのようなところだけでなく、理学療法や作業療法などのリハビリテーションの場面においても運動を指導する機会があるヒトに向けたテーマです。
運動を指導した経験があるヒトに質問です。
その指導は、有効で継続してくれましたか?
そもそも、継続してくれているか知ってますか?

振り返ってドキッとした方も多いかと思います。
今回は、運動指導の継続について書きます。

例えば。50代の心不全で入院した女性に理学療法士が担当したと仮定しましょう。その方は、運動をほとんどしないデスクワークで、3食の食事は塩分過多、間食もほぼ毎回行っており、内容はデザートなどの砂糖や、ドーナツなどの揚げ物。BMIは35。
介入時は、心不全に伴った症状に対する投薬治療が行われている中で、心負荷を調整しながらリハビリを進めていくと思います。
いわゆる、心臓リハビリテーションですね。心不全症状が改善し、退院が決まりました。再発しないような運動や食事に対する指導が必要ですね。
ここで、皆様はどのような指導をしていますか?

目次

退院時指導って本当にやってくれているの?

例えば、減塩に対して食事内容をお伝えしたり、簡単なウォーキングをするように伝えているかもしれません。
じゃあ、聞きます。
それでやってくれますか?

肥満女性イメージ
このようなケースを変えるのは、本当は難しいはず…

では、ここで食事指導や運動指導が継続できない理由を考えてみます。

①元々の生活がある

性格の問題でこのようになってしまったと考えるのは、少々マッチョな意見かと思うので、他の視点からみてみます。
例えば、塩分過多の食生活は、家族が塩辛いものが好きで、薄味だと「薄い」と文句を言うから、塩分過多にせざるを得ない。
職場で間食するのは、おやつタイムやパソコン横にお菓子がおいてある習慣で、食べながら行うのが会社の風潮だ。
一例ですが、みたいなことが考えられるわけです。

②セラピストが指導した指導は、喉元過ぎれば熱さを忘れる

ヒトは習慣化するのがすごく苦手ないきものです。
そのため、心不全が辛くても、良くなればいつも間にか忘れます。
セラピストが指導したことも同様です。
その場では聞いていたとしても、時間が経つと忘れます。
これは人間として仕方がないことです。

この2点から、指導はかなり難しいことがわかったと思います。
少なくとも、真剣に指導して再発予防につとめてきたセラピストはそう感じると思います。
では、どうすれば良いか。
誰かが見守ることです。
誰かと約束して、それを確認する機会があるとやらざるを得ない環境になります。
やらない環境から、やる環境にするのです。
一人で決めた朝の読書はできなくても、友人とカフェで待ち合わせて毎朝行う読書はできるはずです。
ヒトは、ヒトとの約束を守ります。
守れない自分を恥ずかしいと思います。

食事・運動も同じ

誰かと約束し、それを誰かが確認する習慣を継続すると良いです。
今回のケースであれば、フィットネスジムへ行くように促して、そのさきのフィットネスジムのトレーナーと顔見知りになっておいて、トレーナーが声をかけるようなながれにしておくのです。
心不全という病態をお持ちの場合は、理学療法士がいるようなフィットネスの方が安心かもしれません。
そのあたりを参考にしてみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

お知らせ:理学療法士駐在型フィットネスです。

投稿者プロフィール

實 結樹
執筆監修

一般社団法人日本リハフィット協会 代表理事

国家資格(理学療法士取得)

脳卒中認定理学療法士

総合病院に10年勤務後、

埼玉県桶川市→上尾でリハビリ施設設立 5年目

2018年に日本離床学会で最優秀演題賞を受賞

臨床とビジネスの双方から挑戦を繰り返している

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