Twitterで話題!保険内セラピストvs保険外セラピスト

今回は、Twitterで話題となっていた、保険内セラピストと保険外セラピストについて書きたいと思います。

保険内セラピストvs保険外セラピスト
保険内セラピストvs保険外セラピスト

目次

論点を整理

Twitterでは、以下のようなことが論点に挙がっていたと思います。
①保険内セラピストは、保険外セラピストを拝金主義(患者さんのためではなく、お金のため)だと思っている。
②保険外セラピストは、保険内セラピストを勇気がなく、挑戦できないヒトと思っている。
大きくは、この2点だったかと記憶しています。

保険内と保険外のセラピストについて、みたいなことは学校で教わりません。
そもそも、保険外で活動をするセラピストが増えたのは、ここ数年です。
(日本リハフィット協会は、保険外で活動をするセラピストを育成・サポートしていきます)
そのため、どうしても保険内のセラピストが圧倒的多数になりがちです。
ただ、保険外セラピストは、個が強いため、発信しまくります。
そのため、対立構造となっている可能性があります。

それぞれの特徴を3つの視点から整理すると

保険内セラピストを医療保険や介護保険サービスを提供しているヒトと定義します。
保険外セラピストを保険を使わないサービスを提供しているヒトと定義します。
Twitterの論点に挙がったポイントを踏まえ、
①収入
②挑戦
③やりがい
という3つの視点から考えてみます。

1.収入面での違い

保険内セラピストにとっての売り上げは、医療保険や介護保険の診療報酬点数に左右されます。
特に、病院などに勤めている場合、病院側は医師や看護師、薬剤師など、様々なスタッフに給料を支払います。
入院患者が少ない時期や、薬の処方が少ない時期もあります。
そうなると、売り上げは下がります。
下がった分も考えて、給料を支払います。
個別リハビリをたくさん実施して、リハビリの売り上げがたくさんあっても、それがセラピストの収入には直結しません。
また、個別リハビリのときには、その時間はその個別リハビリにか売り上げはたちません。
そのため、爆発的に売り上げを上げることもできないのです。
また、技術に関わらず、診療報酬の点数は同じです。
お金だけを考えると、1年目も30年目も売り上げは同じです。
病院側はお金の面だけで考えると、年数に応じて給料を上げる必要がないのです。
最近は、訪問リハビリサービスやデイサービスを起業するセラピストもおりますが、売り上げの上限は定まっているので、基準となる看護師などを雇うことで、収入の頭うちはきてしまいます。
こう考えると、保険内セラピストは「お金ではなく、想いで働いているんだ!」という声は分かる気がします。

保険外セラピストは、企業に所属している場合は、給料制です。
そのため、保険内セラピストの給与体系とほとんど変わりません。
売り上げがあって、その一部が人件費として支払われているという構造です。
病院や施設と違って、看護師など多職種を雇う必要はないので、セラピストに渡す人件費はそれなりの割合を確保できます。
また、リハビリ料は施設側で決められるので、1時間100,000円みたいな料金を設定することもできます。
こう捉えると、保険外セラピストは「拝金主義だ!」と言われるのかもしれません。
ただ、患者さんのことをよく考えてください。
今まで、脳梗塞で外来リハビリを3割負担で自己負担が1時間約2,000円でリハビリしていた患者さんが、1時間100,000円をはらうでしょうか?
払わないですよね。
払うには、それだけの価値があるはずです。
保険外でやるからには、価格に見合った価値を提供する必要があり(商売の原則です)保険外セラピストは命を削って価値を見出していると思います。
こう考えると、「拝金主義だ」と思考停止せず、その分の隠れた頑張りを考えてみてください。
少し捉え方がかわると思います。

2.挑戦という違い

「保険内セラピストは、診療報酬という国に守られているから、臆病者だ」
これは、本当でしょうか?
もちろん、本当は保険外で事業を成功させたいのに、一歩が踏み出せないヒトはいると思います。
じゃあ、全員がそうでしょうか?
私は、こんなセラピストたちを知っています。
病院在籍中にブログをコツコツ更新し、12,000PV/日、250,000PV/月を達成し、書籍の執筆に至った保険内セラピストがいます。
学会発表、論文作成などの研究を臨床と並行して行い、年に7日しか休みがないほど、講演や研修会の講師としてオファーされる保険内セラピストがいます。
彼らは、挑戦していないんでしょうか?
そんなことないですよね。
保険内だから、チャレンジできないなんてことはないです。
そのヒト次第です。

保険外セラピストは、自分でマーケティングからリハビリまですべてを行う必要があります。
保険外という環境に出た時点で、挑戦しないと負ける戦いです。
そういう意味で、保険外セラピストは挑戦しているように見えると思います。
ただ、あくまで保険内だから、保険外だから、というカテゴリーは関係ないです。
挑戦は、すべてのセラピストに与えられた権利なのですから。

3.やりがいの違い

「急性期の手術後から医師や看護師と連携して離床を達成したい」
これは、保険内かつ、急性期の病院じゃないと感じることができないやりがいです。
逆に、
「自分の腕で自然回復しない時期の患者さんの動きを1回勝負で変えたい」
これは、保険外でか体験できません。
保険内の訪問リハビリなどもありますが、基本的には継続するサービスなので、1回のリハビリ結果が継続に左右するほどの重みはないです。

このように、それぞれにやりがいがあります。
当たり前です。
保険内・保険外というくくり方をするのではなく、我々はセラピストです。
患者さんのために、その場その場でベストを尽くしているはずです。
その場にいる意図を持っているはずです。
そこをお互いが理解し合うことで、もっと良いサービスが提供できるのではないでしょうか?
国民皆保険は終わる日がくるかもしれません。
そのときに、セラピストの価値と意義を持っていられるように、頑張っていきましょう。

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興味がある方は、一度トモダチ追加してみてください。

投稿者プロフィール

實 結樹
執筆監修

一般社団法人日本リハフィット協会 代表理事

国家資格(理学療法士取得)

脳卒中認定理学療法士

総合病院に10年勤務後、

埼玉県桶川市→上尾でリハビリ施設設立 5年目

2018年に日本離床学会で最優秀演題賞を受賞

臨床とビジネスの双方から挑戦を繰り返している

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