【実例あり】クレームはすごく落ち込むけどクレーム対応のポイントはシンプルな「2つ」だった

クレームを言う人

本記事では、店舗を運営していく上で生じるクレームについての記事です。
サービスを提供していて、クレームがくると、すごく落ち込みます。
落ち込んでいても、店舗を運営している上でクレームは避けては通れません。

落ち込むことで、感情的にゆさぶられて、クレーム対応が雑になってしまうと、余計なクレームを増やしてしまいます。
そのため冷静に、クレーム対応をする必要があります。

クレーム対応のポイントはシンプルに「2つ」です。
そのポイントを解説した上で、実例も紹介しますので、クレーム対応の参考にしてみてください。

なお、本記事でのクレームとは、「ご利用者様から企業への不安や怒りを伴う、なんらかの要求や主張」を指します。

目次

クレーム対応のポイント

はじめに、クレーム対応のポイントを2つご紹介します。

クレームの対応のポイントは、この2つだけおさえておきましょう。

  • 1つ目は、クレームは改善できる内容かを考えること
  • 2つ目は、クレーム対応は、仕組み(システム)に落とし込むこと

    です。
    それぞれ説明します。

ポイント①クレームは改善できる内容かを考えること

ポイントの1つ目は、クレームは改善できる内容かを考えることです。

クレームを言うご利用者様は、当たり前ですが、「ご利用者様」です。
「ご利用者様」なので、その企業の商品やサービスを利用しています。
利用しているということは、商品やサービスを少なからず気に入っているはずです。

気に入っているにもかかわらず、クレームを言うのは、何かしらの商品やサービスに対するギャップを感じたはずです。
このギャップは、企業側にとってより良いサービスを目指すための大切なご意見である可能性が非常に高いです。
改善につながるご意見であった場合、真摯に受け止めて改善しましょう。

改善できない内容だった場合は、どうするの?

一方で、改善につながらないような(または、対応できないような)「要求」である場合は、注意が必要です。

いくらご利用者様の意見であっても、改善につながらないような意見では、聞かなくてもOKです。
むしろ、聞かない方が良いです。
聞いてしまうことで、サービスの本質を見失い、スタッフのモチベーションが低下します。

改善できない内容だった場合は、下記の2ステップで応急処置的に対応しましょう。

  1. ひたすら感情に寄り添う
  2. 対応できる範囲で対応する

この2ステップでクレームがおさまらない場合は、スタッフ・店舗のことを考えて、退会や出禁等の厳正なる対応も考慮した方が良いです。

以上より、クレームがきたら、そのクレームは改善できる内容かを考えましょう。

ポイント②クレーム対応は、仕組み(システム)に落とし込むこと

ポイントの2つ目は、クレーム対応は、仕組み(システム)に落とし込むことです。
ポイント①でクレーム内容が、「改善すべき問題点」であった場合は、この②に進みます。

クレーム対応で大切なことは、仕組み(システム)に落とし込むことです。
仕組みの反対は、人頼みにすることです。
人頼みにすることを考えると、仕組みにする必要性が分かると思います。
人頼みにしてしまうと、また同じクレームにつながるからです。

「当たり前だよ。人頼みにしないよ」と思っていても、問題点への落とし込みが不十分だと、「人頼み」の対応となっていることも多いです。

「人頼み」対応策の例

人頼みになっている対策

クレーム対応策が「人頼み」となっている例を1つ挙げます。
リハビリの予約を取り間違ったために、2名の患者さんが同じ時間に来てしまった場合。
以下の2つの対応策を考えました。

ダメなクレーム対応策A

「予約がかぶっていないかをきちんと確認する」です。
これって結構やりがちです。
きちんと確認しなかったから、リハビリの予約を取り間違ったのでしょうか?

そうではないはずです。
リハビリの予約を取り間違った原因があるはずです。
その原因に対して対応策を挙げる必要があります。

「きちんと」や「しっかりと」は、原因に対する対応策でない場合がほとんどです。

ダメなクレーム対応策B

「予約がかぶっていないかを2度確認する」です。
先程のような「きちんと」みたいな曖昧な言葉がないので、悪くないように感じます。
ただ、2度確認するのは、人頼みになっています。

2度確認するかしないかは、その人次第になってしまいます。
予約ミスがあった後数日は2度確認を毎回やっていても、そのうちやらない日がでてきます。
やらなくても予約ミスが起きないと、やらない方向に流れてしまいます。
以上、人頼みのダメなクレーム対応策を2つ挙げました。

このように、人頼みは対策になっていないのです。

仕組みの対策

これを仕組みの対策だと、「予約をとった日時には後から予約をいれることができないようにする」になります。
このような対策をすれば、スタッフが間違って同じ日時に予約を入れようとしても、後から入れれません。
これが、クレーム対応策の基本です。

クレームに対する対応をまとめると、まずクレームが改善すべき内容かを見極めます。
対処すべき課題であった場合は、仕組みに落とし込んで対策します。

続いて、クレームの実例をみていきましょう。

クレームの実例

実例からクレームが改善できる内容かを考えて、クレーム対策を仕組みに落とし込んでみます。
私達は、リハビリセンターReha fitを運営しています。

リハビリセンターReha fit

このリハビリセンターReha fitは、「理学療法士によるマンツーマンの運動指導」と「フィットネス」を提供しています。
「フィットネス」での一場面です。
コロナウイルスに対する感染対策で、ご利用者様からこのようなご意見をいただきました。

「換気をした方が良いみたいだから、窓をあけてほしいです」
このご意見に対して、どう考えれば良いでしょうか?

改善できる内容かを考える

このご意見に対して、まず内容を考えます。

そもそも、窓はあいています。
(その場ではその旨を丁寧に説明しました。照れ笑いとともに、ご納得いただけました)

そのため、このご意見をそのまま反映しようがありません。
(窓をあけてほしい→すでに窓はあいている)

このご意見は、改善できない内容でしょうか?
一見、事実とは異なったご意見であっても、一度考えることが重要です。

実際の環境

実際の環境では、窓は高い位置にあり、視覚的に確認し辛い環境でした。
そのため、ご利用者様は窓が閉まっていることを確認してご意見した訳ではありません。

このことから、読み取れるのは、「窓をあけていることが分かり辛い」という課題です。
この課題は、改善できる内容でしょうか?

コロナウイルスの感染に対する不安が大きい現状、「窓をあけて換気をしている」という状況は、ご利用者様の安心感に直結します。
また、ご利用者様に「しっかりとした感染対策を行っているジムなんだ」と実感できる環境を用意することも重要だと考えました。

これらから、「窓をあけていることが分かり辛い」という課題は、改善できる内容となりました。

続いて、仕組みでの対策を考えます。

仕組みでの対策を考える

「窓をあけていることが分かり辛い」という課題に対して、スタッフが「窓をあけていることをご利用者様に説明しよう」とする対策は、人頼みの対策です。
今回の場合の仕組みは、窓があいていること伝えることを考える必要があります。

実際には、窓の下に「換気しています」という張り紙を貼りました。
張り紙を貼った結果、それ以降「窓をあけてほしい」というご意見は1度もいただくことはありませんでした。

人頼みの対策にしていれば、言い忘れたことによって同じご意見をもらった可能性があります。
このように、クレームが改善できる内容かを考えて、仕組みで解決することを実施すると、より良いサービスにつながります。

クレームの本質

仲直り

クレームの対策の基本と、実例を解説しました。
次に、クレームの本質をもっと深堀りしたいと思います。
先程にも書いた通り、クレームはサービスに対する改善の提案です。

クレームによって、更に良いサービスが提供できます。
みんなが知っているGoogleやAmazonも、大量のお客様からクレームをもらって、日々改善しています。
その改善によって、更に使いやすくなっています。

サービスを利用するのはお客様なので、お客様が使いやすいようにするために、お客様の意見を聞くのが最も有効なわけです。
つまり、クレームとは自社が良くなるためのめちゃくちゃ大切なご意見です。
大切に、一つ一つ対処することで、提供するサービスはより良いものになるでしょう。

最後に一番大切なこと

もう1つ、大切なことがあります。
時には、どうしようもないことをクレームするお客様がいます。
その時は、どうか、スタッフと店舗を守ってください。

謝罪で済むのであれば、謝罪も選択肢です。

返金で済むのであれば、返金も選択肢です。

お客様を負かすことが目的でなければ、お客様を勝たすことも目的ではありません。
コチラがどれだけ正しくても、お客様がどれだけ間違っていても、目的は正しさではありません。
お客様と店舗側の仲直りが目的です。

それを忘れないようにしましょう。

まとめ

本記事では、クレーム対応の基本と、実例を交えて解説しました。

まとめると、クレーム対策のポイントは、2つです。

  1. クレームは、クレームは改善できる内容かを考えること
  2. クレーム対応策は、仕組み(システム)に落とし込むこと

・クレームは、サービス改善ポイントであるので、受け止めて対応しましょう。
・あまりにひどいクレームの場合は、スタッフと店舗を守りましょう。

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オススメ本の紹介

ここでは、オススメの本を2冊ご紹介します。

・サービス提供者として、気遣いは本当に基本のスキルです。
 必見です。

・クレーム対応策に限らず、課題や対策を迅速に記録して成功事例をためていく方法です。
 対策例をためて、仕事の速度を上げましょう。

投稿者プロフィール

實 結樹
執筆監修

一般社団法人日本リハフィット協会 代表理事

国家資格(理学療法士取得)

脳卒中認定理学療法士

総合病院に10年勤務後、

埼玉県桶川市→上尾でリハビリ施設設立 5年目

2018年に日本離床学会で最優秀演題賞を受賞

臨床とビジネスの双方から挑戦を繰り返している

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