臨床家としてちゃんと文献と向き合おう!若手療法士こそ読むべき検索の超基本

臨床をしていると、
「本当に患者さんの役に立てているのかな?」
と立ち止まる瞬間があります。

より良いリハビリテーションを届けるためには、経験だけでなく、文献を調べ、根拠を踏まえて考える視点が欠かせません。
とはいえ、PubMedや英語論文と聞くだけで、苦手意識を持つ方も少なくないのではないでしょうか。

なにせ、私がそうです。
はっきり言って英語論文、苦手です。(苦笑)

そんな方におすすめしたいのが、
針谷遼先生の
『文献検索 超基本 PT・OT・STのためのPubMed実践ガイド』
です。

この本の魅力はたくさんありますが、今回は特に「これは多くのPT・OT・STに役立つ」と感じた3つのポイントをご紹介します。

自分に役に立ちそうだな、と感じたらぜひ手にとってみてください。

読むだけで終わらない。ワークショップ形式で“実際にできる”ようになる

この本の大きな魅力は、ただ知識を並べるだけで終わらないところです。
ワークショップ形式で進んでいくため、読んで「分かったつもり」にならず、実際に手を動かしながら理解を深めることができます。

実際に私も、「後景・前景疑問とは、このような意味なのね。」
と、理解したあと、ワークショップで撃沈‥

ということが何度もありました。
この「わかったつもり」を避けられるのは、すごく良いと思います。

本を読んで理解する

ワークショップで確認・実践

回答をチェックして自分の現在地を確認

この流れが自然にできるのは、本書の強みですね。

実際、文献検索は、説明を読んだだけではなかなか身につきません。
検索してみて、
「あれ、理解したつもりだったけど、うまくできない」
「検索語の選び方でこんなに結果が変わるのか」
と気づくことが、上達への近道です。

本書は、その“実践しながら学ぶ流れ”が丁寧に作られているので、読み進める中で自然と検索の力がついていきます。
特に、検索を実際に組み立てて試していく流れは、臨床家にとって大きな自信につながるはずです。

PubMed検索が“難しいもの”から“意味が分かるもの”に変わる

この書籍でも紹介されているのですが、PubMed特有の長い検索式…

(“Stroke”[mh] OR “Cerebrovascular Accident”[tiab] OR “Brain Ischemia”[mh] OR “Ischemic Stroke”[tiab] OR “Hemorrhagic Stroke”[tiab]) AND (“Gait”[mh] OR “Walking”[mh] OR “Ambulation”[tiab] OR “Gait Disorders, Neurologic”[mh]) AND (“Physical Therapy Modalities”[mh] OR “Gait Training”[tiab] OR “Treadmill Training”[tiab] OR “Body Weight Supported Treadmill Training”[tiab])

針谷遼 : 文献検索 超基本 PT・OT・STのためのPubMed実践ガイド.p45

そうなんです、これ見るだけで、そっと検索画面を閉じちゃいますよね。
でも、今回はちょっと待ってください。

なんと、この書籍を読み進めていくと、この検索式が理解できるようになったのです!!
すごい、魔法かよ!!

実際、このようなPubMedの検索式を見ると、長い英単語やAND、OR、NOTが並んでいて、苦手意識を持つ方も多いと思います。
ですが本書を読むと、それらがただの記号の羅列ではなく、「必要な文献にたどり着くための道具」だと分かってきます。

同義語や関連語の考え方
引用符の使い方
AND、OR、NOTの基本
MeSHの考え方

こうした大事なポイントがきちんと整理されていて、検索式の意味が一つずつ理解できるようになります。

中でもMeSHの考え方は、知っているだけでも非常に大きいと感じました。
論文ごとの言い回しの違いに左右されず、関連する文献を集めやすくなるため、検索の精度が大きく変わります。

さらに本書では、生成AIやChatGPTの活用にも触れられています。
つまり、検索式を一から考える力を養いながら、現代的なツールも上手に使っていく視点がある。
この「基本を押さえた上で、AIも使う」というバランスが、今の時代にとても実践的だと感じました。

“たくさん出てきて終わり”ではなく、臨床に必要な文献にたどり着ける

現場では、
「脳卒中 トレッドミル」
のように、思いついた言葉でそのまま検索してしまうことがあります。
すると文献が大量に出てきて、
「結局どれを読めばいいのか分からない」
となりがちです。

本書の良さは、そこをきちんと整理してくれることです。
検索の前に、PICOを意識すること。
取り込み基準、除外基準を考えること。
自分の患者さんや臨床場面に合った問いを立てること。

この流れがあることで、検索結果がただ大量に出てくるだけでなく、「自分に必要な文献」に近づいていきます。

しかも本書は、「すべてを読むのは現実的ではない」という、臨床家にとって非常に現実的な視点も示してくれます。
これは忙しい現場を知っている先生だからこそ書ける内容だと思います。

理想論ではなく、
限られた時間の中で、
どうすれば必要な文献にたどり着き、
どう臨床につなげるか。
その視点が、本書全体に通っています。

まとめ

『文献検索 超基本 PT・OT・STのためのPubMed実践ガイド』は、
「文献検索は苦手」
「PubMedは難しい」
「検索しても結局、何を読めばいいか分からない」
という方にこそ、手に取っていただきたい一冊です。

読むだけの本ではなく、実際に使える本。
知識を増やすためだけではなく、明日の臨床につなげるための本。
そして、エビデンスに基づくリハビリテーションを、患者さんにきちんと届けるための本だと感じました。

文献検索を“誰かができる特別な技術”で終わらせず、
“自分もできる実践”に変えてくれる一冊です。

PT・OT・STで、これから文献検索を学びたい方にも、
一度学んだけれど苦手意識が残っている方にも、
ぜひ読んでみてほしいと思います。

とりあえず、私は検索の際はこの本を片手に検索します!

その他、エビデンスに基づくリハビリを考える際にオススメ本

ちなみに、エビデンスに基づくリハビリを考える際に、時短で考える場合のオススメの本はコチラです。

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投稿者プロフィール

實 結樹
執筆監修

一般社団法人日本リハフィット協会 代表理事
国家資格(理学療法士取得)
脳卒中認定理学療法士
促通反復療法「川平法」認定施設

総合病院に10年勤務後、
埼玉県桶川市→上尾でリハビリ施設設立 5年目

2018年に日本離床学会で最優秀演題賞を受賞

臨床とビジネスの双方から挑戦を繰り返している

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